日本セーフティーが督促の電話で伝える「法的措置」とは何を指すのか?

日本セーフティーが督促の電話で伝える「法的措置」とは何を指すのか?

日本セーフティーなどの家賃保証会社から「法的措置に移行します」と告げられた時、その言葉が具体的に何を意味するのか分からず、不安に感じてしまう方は少なくありません。

こちらでは、その「法的措置」という言葉が具体的に何を指すのか、その核心部分だけに絞って分かりやすく解説します。

「法的措置」は、大きく分けて2つの段階で進む

保証会社が言う「法的措置」とは、簡単に言えば「裁判所の手続きを通じて、法的な強制力をもって家賃の回収や部屋の明け渡しを実現する」ための一連の行動を指します。

これは、大きく分けて以下の2つの段階で進められます。

段階1裁判所への申し立て(権利を確定させる手続き)

段階2強制執行(権利を強制的に実現する手続き)

以下、それぞれの段階で何が行われるのかを具体的に見ていきましょう。

段階1:裁判所への申し立て

まず保証会社は、滞納家賃を支払ってもらう権利や、部屋を明け渡してもらう権利が法的に自分たちにあることを、裁判所に認めてもらう必要があります。

そのために行われるのが「裁判所への申し立て」です。

これには、主に以下のような種類があります。
申し立ての種類 手続きの概要
支払督促 裁判所から債務者(あなた)へ、金銭の支払いを命じる「督促状」を送付する手続きです。書類審査のみで進むため迅速ですが、相手方から異議申し立てがあると、通常の訴訟に移行します。
少額訴訟 滞納額が60万円以下の金銭トラブルを対象とした、簡易的な裁判手続きです。原則として1回の期日で審理が終わり、即日判決が言い渡されるのが特徴です。
通常訴訟 一般的な民事裁判です。保証会社は、滞納家賃の支払いを求めると同時に、賃貸借契約の解除に基づいて「建物の明け渡し」を請求することがほとんどです。

裁判で保証会社の権利が認められると(これを「債務名義の取得」と言います)、次の「強制執行」の段階に進むことが可能になります。

段階2:強制執行

強制執行とは、裁判所が認めた権利を、国家の権力を用いて強制的に実現する手続きです。

これには、主に「建物明け渡しの強制執行」と「財産差し押さえ」の2つがあります。

建物明け渡しの強制執行

これは、いわゆる強制退去のことです。

裁判所の職員である「執行官」が、鍵業者や荷物の運び出しを行う作業員と共に部屋を訪れ、借主の意思に関わらず、室内の家財道具をすべて運び出し、部屋を空にさせます。

これにより、法的に住む場所を失うことになります。

財産差し押さえ

滞納家賃を回収するために、借主の財産が差し押さえられます。

差し押さえの対象となる主な財産は以下の通りです。

給与債権

あなたの勤務先(会社)に裁判所から連絡がいき、給料の一部が差し押さえられます。
原則として、手取り給与の4分の1が上限とされています。
滞納分が全額支払われるまで、毎月継続します。

預金債権

あなたの銀行口座が対象となります。
銀行は裁判所からの命令に基づき、あなたの口座から滞納額に相当する金額を強制的に引き落とします。
ある日突然、口座の残高がなくなっている、という事態も起こり得ます。

動産

自動車やバイク、高価な宝飾品や家電製品など、換金価値のある「モノ」が対象となることがあります。
ただし、生活に不可欠な家財道具などは差し押さえが禁止されています。

その他の債権

生命保険の解約返戻金なども、差し押さえの対象となることがあります。

まとめ

日本セーフティーが言う「法的措置」とは、単なる脅し文句ではなく、「裁判所の申し立て」を経て、最終的には「強制執行(強制退去や財産差し押さえ)」に至る、法に基づいた具体的な手続きを指します。

どの段階にあるかによって、その後の展開は大きく変わってきます。